ホイールを固定するのに、欧州車では、ボルトを使用する事が多いですが、日本車の場合、ほとんどがナットで固定します。
ナット固定と、ボルト固定の違いは、それぞれの自動車文化の違いだったりしますが、同じ、ナット固定でも、それぞれの自動車メーカーで、ナット自体の形状や規格が違っているのです。
そこで、以下に、それぞれの自動車メーカーごとに、ホイールナット・ボルトの形状・規格をまとめていきます。
ホイールナットの形状を規格の見方
国産車のホイールナットの形状は、基本的に下の3タイプに分類されます。自動車メーカーによって、純正ナットの形状は変わってきますが、ポイントは座面の形状です。
1番メジャーなのは、60°の角度が付いたテーパー座となります。社外品のホイールを履く場合、ほとんどが、テーパー座のナットです。純正で球面座・平座のナットが付いている場合、社外品のホイールに純正のナットは使用できません。
国産車のナットの形状
現在、普通車では、ほとんどの場合、M12のネジ径のナットが使用されています。同じM12であってもピッチ1.5のものと、ネジ山の細かいP1.25のものがあります。
ホイールナットの規格表記
- ミリネジを表す記号
- ネジの太さ(mm)
- ネジ山とネジ山のピッチ(mm)
- 六角形の2面幅(スパナ径)
- 形状を表す表記 HEX ⇒ 六角頭を表す
トヨタ車のホイールナット
トヨタ純正のホイールナットは、平面座形状がメインとなります。商用車の鉄ホイールは、テーパー座となっています。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- プロボックスなど鉄ホイール装着車は、形状がテーパー座になっています。
- ランドクルーザー・センチュリーなど、M14×P1.5の車種もあります。
- 86・パッソ・ライズなど、共同開発車またはOEM車は、供給元の規格になっています。
- 新型スープラは、BMWのOEM車です。
日産車のホイールナット
日産純正のホイールナットは、テーパー座形状がメインとなります。一部、平面座の車種もあります。
ネジの規格:M12×P1.25
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- Y51シーマ・フーガ・Z34フェアレディZなど、平面座の車種もあります。
- デイズ・ルークス・クリッパーなど、共同開発車またはOEM車は、供給元の規格になっています。
ホンダ車のホイールナット
ホンダ純正のホイールナットは球面座形状になっています。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:19
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- シビック タイプRはFK2・FK8からM14×P1.5になっています。
- NSXは、M14×P1.5。最終型は、ボルト固定になっています。
- 旧型の軽自動車では、M10×P1.5の車両もあります。
マツダ車のホイールナット
マツダ純正のホイールナットは、テーパー座形状がメインとなります。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- 2018年5月以降一部車種(デミオ・アクセラ・CX-3など)の純正ナットが21HEXより17HEXへと変更になっています。
- 現行の軽自動車は、OEM車のため供給元の規格になっています。
- ファミリアバン・ボンゴブローニイバンなどの商用車は、トヨタからのOEMとなりますが、鉄ホイールの場合、テーパー座となります。
- 旧型の軽自動車では、M10×P1.25の車種もあります。
三菱車のホイールナット
三菱のホイールナットは、平面座形状がメインとなりますが、軽自動車はテーパー座となります。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- アウトランダー・デリカ:D2・デリカ:D3など、共同開発車またはOEM車は、供給元の規格になっています。
スバル車のホイールナット
スバル純正のホイールナットは、テーパー座形状がメインとなります。
ネジの規格:M12×P1.25
HEX:19
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- 旧型の軽自動車では、M10×P1.25の車種もあります。
- 現行の軽自動車は、OEM車のため供給元の規格になっています。
ダイハツ車のホイールナット
ダイハツ純正のホイールナットは、テーパー座形状がメインとなります。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- トヨタからOEMの普通車は、平面座となります。
スズキ車のホイールナット
スズキ純正のホイールナットは、テーパー座形状がメインとなります。
ネジの規格:M12×P1.25
HEX:19
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- ランディなど、共同開発車またはOEM車は、供給元の規格になっています。
レクサス車のホイールナット
レクサス純正のホイールナットは、平面座形状がメインとなりますが、2020年6月にマイナーチェンジされたISからボルト固定式に変更。
ネジの規格:M12×P1.5
HEX:21
- 上記の規格は代表的なものを、記載しています。一部、規格の異なるものもあります。
- LS(460系・600h・500系)・LC500系・LX570は、M14×P1.5になります。
2020年以降にモデルチェンジされたレクサス車
レクサスの2020年以降にモデルチェンジされた車種は、球面座14Rのボルト固定式に変更になっています。
ネジの規格:M14×P1.5
HEX:17
以上が、国産車のホイールナットの一覧です。他にも、国産メーカーでは、光岡がありますが、光岡車にはベースがありますので、基本的には、そのメーカーの規格となります。
輸入車に関しては、メーカーの吸収や統合が複雑なので、別ページで紹介をする予定です。
- タイヤサイズの見方 インチ・扁平率・製造時期など
- ホイールサイズの見方 インチ・リム幅・P.C.D・インセットとアウトセット
- 世界のタイヤメーカー一覧
- タイヤの交換時期の目安 劣化の判断方法と長持ちさせるコツ
- ランフラットタイヤって実際どうなの? ランフラットタイヤのメリット・デメリット
- ランフラットからノーマルタイヤに変えるとどうなる? 必要なものと乗り心地の変化
- なぜ、ホイールを固定するのに日本車はナットで欧州車はボルトなのか?
- 自動車メーカー別 国産車のホイールナットの規格・形状一覧
\ 車とバイクを楽しむメディア /