いつも乗っている、愛車のタイヤ。知らない間に、確実に劣化は進んでいます。
今回は、そんなタイヤの劣化の確認方法から、長持ちさせる方法と注意点・タイヤを安く購入する手段まで、お話していきたいと思います。
タイヤの交換時期の目安・劣化の確認
タイヤは、一般的に4~5年以内で交換することが推奨されています。これは、たとえ全く乗らなかったとしても、この期間で交換してくださいよ。という目安期間になります。
全く乗ってないなら、減りもしなければ劣化もしないと思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。
タイヤの主原料はゴムです。ゴムは、紫外線やオゾンに影響を受けて、できた瞬間から劣化が始まります。車に取り付けていない倉庫保管であっても、10年ほどで使いものにならなくなるのです。
普通の輪ゴムを陽の当たる場所に置いておくと、スグ固くなって脆くなりますよね。あの感じに近いかと思います。もちろん、タイヤには、カーボンブラックや老化防止剤などの添加物・配合物が含まれているため、あそこまで劣化は早くないのですが、同様の現象がおこっているのです。
さらに、何もしなくても劣化が進んでいくうえに、普通に使っていれば、人やモノが乗っかった状態で、結構なスピードでアスファルトや砂利道を走行するわけです。なので4~5年という使用期間をまたずに、天命を全うしてしまうタイヤも出てきます。
これは走行距離に起因するところが多いと思いますが、使用限界が近づくと、タイヤから、色んなサインを出してくれてるので見逃してはいけません。
タイヤの溝は何ミリまで使える?摩耗はどこで確認する?
タイヤは、おおむね、走行距離3万キロ程度は、もつといわれています。これは摩耗によってタイヤの溝が減る見込みの距離なのですが、タイヤ自体からも、摩耗に伴って、その程度を示すサインが出てきます。それが、スリップサインというものです。タイヤ側面を見ると、三角形のマークがあります。

この印のある部分から、トレッド面をたどっていくと、タイヤ溝内に突起部分があります。これが、溝内におさまっていれば、まだ、何とか使用できますが、他の接地面と同じ高さになっていたら、溝の深さが1.6mm以下になっているサインです。

スリップサインのイメージを絵にしてみると、こんな感じになると思います。
新品ならこんな感じ

これくらいでメーカー推奨交換時期


メーカーでは、残り溝4mm程度で交換を推奨。さらに、1.6mmまで使用もできますが、これ以上使用を続けると、法律違反となります。もちろん車検も通りません。
以下のような内容の記載が道交法にあります。
接地部は滑り止めを施したものであり、滑り止めの溝(最高速度 40km/h 未満の自動車、最高速度 40km/h 未満の自動車に牽引される被牽引自動車、大型特殊自動車及び大型特殊自動車に牽引される被牽引自動車に備えるものを除く。)は、空気入ゴムタイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、空気入ゴムタイヤの接地部の中心線にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施されている凹部(サイピング、プラットフォーム及びウエア・インジケータの部分を除く。)のいずれの部分においても 1.6mm(二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること。この場合において、滑り止めの溝の深さについての判定は、ウエア・インジケータにより判定しても差し支えない。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示より抜粋
また、各メーカーの見解では、タイヤは5分山程度から性能が著しく劣化すると言われています。メーカーが、商品を売りたいがための、早目の交換サイクルかとも思っていましたが、どうやら事実のようです。
一般社団法人 日本自動車タイヤ協会の報告でも書いてありますので信用度が高いです。
この程度の減り具合から、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなるとの事です。
ハイドロプレーニング現象とは
雨天など、濡れた路面を高速で走行した際に、タイヤ溝が排水しきれずに、タイヤが浮いてしまう事がある。これにより、ハンドル操作・ブレーキのコントロールがきかなくなることをハイドロプレーニング現象という。
高速走行をともなう事が多いので、特に高速道路では注意が必要。
タイヤのヒビ割れは、どの程度まで大丈夫?
新しいタイヤは、ゴムに油分を多く含んでいる状態で弾性があります。紫外線などにさらされると、この油分が抜けてきてしまい、ゴムとしての硬化が始まり、ヒビが発生します。
さらに劣化が進行すると、ゴムは白化(白く粉が吹いたような状態)して、脆くなってきてしまいます。
はじめのうちは、小さな目立たないヒビなので、タイヤの強度としては、それほど気にする分類には入りません。しばらくすると、段々と成長して、サイドウォール全周に広がってきます。
この状態になるとタイヤとしての強度はなくなり、バーストの発生を引き起こします。
高速道路の走行では、路面との摩擦により、タイヤが熱を持ちます。そのため、内部の空気も膨張して圧が高くなります。これにより、バーストを誘発する危険性も高くなります。
よく、高速道路上に、タイヤの表面だけ落ちているのを見かけますが、あれは、バーストした車両の落とし物です。

バーストは、パンクが徐々に空気が抜けるのと違い、一気にタイヤが破裂してしまう事を言います。上の写真のようになってしまうので、突然ハンドルがきかなくなり、車の挙動を制御することができなくなります。
非常に危険な現象です。パンクとは違い、タイヤの状況を把握することで、防ぐこともできます。それには、日々のチェックが必要です。
自分の感じですが、ヒビができ始めたなと思ってから、サイドウォールに広がってくるまで、半年程度はかかったかと思います。以前、少し古いジャガーに乗っていた時に、ヒビの発生には気づいていたのですが、タイヤサイズが特殊だったため、なかなか交換に至らず、カーカスが見えるまで使用してしまった事があります。
当然、怖くて、高速道路には乗れませんでしたし、普通の道でも雨天だと滑ってヒヤッとする状態もありました。ここまでなる前に、絶対に交換しなければなりません。
ヒビはタイヤからの交換のサインです。ヒビの入り始めの強度の問題のない時点で、交換をするべきですね。
乗り心地の変化もタイヤ劣化のサイン
他にも、日々、車に乗っていると気づく事があります。それは乗り心地の変化です。ヒビの発生のところでも書きましたが、タイヤは劣化すると硬くなります。
そのため、段々と乗り心地も悪化してきます。タイヤの空気圧の影響も考えられますが、明らかにエッジがあるなという乗り心地になります。いつも乗っている車の乗り心地が変わってきたなと感じたら、タイヤの摩耗状態とヒビを確認したほうが良いでしょう。
タイヤ交換後に、乗り心地が劇的に変化するのも感じる事ができると思います。
タイヤを長持ちさせるには
タイヤの交換目安は分かりましたでしょうか?とはいえ、タイヤ4本を交換するというのは結構な費用がかかります。なので、できれば長持ちさせたいと思いますよね。
タイヤを長持ちさせるには少しだけ注意が必要です。長持ちさせるポイントを記載しておきます。
- タイヤを洗い過ぎない・タイヤワックスを使用しすぎない。
- 空気圧に気をつけ、適正空気圧を保つ。
- たまに、ローテーションを行う。
- たまには、動かす。直射日光にできるだけ当てない。
タイヤは、含有されている油分が、抜けてきてしまうと劣化が進行します。そのため、過度にタイヤを洗ってしまうことは、表面の必要な油分を落としてしまう事になります。
また、タイヤ保護を目的としているタイヤワックスも油性だと、タイヤに悪影響を与えます。油性のタイヤワックスに含まれる有機溶剤が、ゴムの成分に悪影響を及ぼすからです。
空気圧の低下や、車をほとんど動かさないなども、タイヤ劣化の原因となります。空気圧が低下した状態のタイヤは、ハリが無く、潰れた形状となってしまいます。潰れた状態で使用すれば、そこからシワができてヒビ割れにつながります。
また、動かさない事も同様に、タイヤの一部に荷重がかかり続けるので良くありません。さらに、タイヤのゴムに含有される劣化防止剤は、転がる事で染み出してきますが、この作用が働かないために劣化を早めてしまいます。
特に、タイヤワックスは、タイヤに良い事だと思ってやっているので、逆効果であるという事実にショックを受けます。なのでツヤ感や耐久性は若干落ちますが、水性ワックスの使用を強くお勧めします。
ディーラーや、タイヤ販売店では油性を絶対に使わないという事実もあります。
カー用品店では、水性・油性を分けての販売はしていませんし、商品パッケージにも記載されていない事もあるので成分表記を見る事が重要です。
タイヤワックスはここをチェック
表面に油性・水性の区分けが書いてある商品は、ほとんど有りませんでした。そんな時は、裏面の種類を確認します。ここに水性・油性の区分けが書いてある商品は多いです。ただ、スプレータイプのタイプの場合は書いていないものが多いので、成分表示を確認します。


ここに有機溶剤とか、石油系溶剤と書かれているものが油性です。界面活性剤と書かれているものは水性です。界面活性剤は、水に溶けにくいシリコン成分を乳化させるための成分なので、水性の判断材料になるかと思います。
タイヤを安く買うには
と、ここまで色々書いてきましたが、結局のところ使用年数がかさめば、劣化は進みます。いつかは交換時期が来てしまうのです。そんな時、いかに安く交換できるかが問題となります。
自分の場合は、必ず、車検前にはチェックして、交換するようにしています。「車検の時に交換しなければ通らない」といった事態になった場合、ディーラーで交換することになってしまいます。これ絶対、高くつきます。
ディーラーで購入するタイヤは、普通のカー用品店で購入するよりも高いからです。
そんな理由で、常日頃、カー用品店で購入していたのですが、最近はその購入方法も変わっています。なぜなら、カー用品店よりも圧倒的に安く購入する方法にたどり着いたからです。
と、大げさに書きましたが、単純な話、ネットで購入すようになったのです。ネットで購入するようになる前から、カー用品店と比較してネットの方が安いなとは思っていました。でも、取り付け作業は自分でできないし、面倒くさいとも感じていました。
それでも、価格差が大きいことも有り、ネットで購入⇒自分で取付店を探して直送してもらう⇒取り付けという手順で、購入してみました。確かに安く購入できました。ただ、見つけた取り付け店が、遠かったこともあって面倒臭さは残りました。
その次の時も、やはり価格差が魅力で、ネット通販で購入しました。それがオートウェイだったのです。オートウェイで購入した理由は、価格の安さもさることながら、取り付け店まで手配がOKであること。それも提携工場数が多くて、近場で作業してもらえます。自分の場合は、徒歩5分のガソリンスタンドが提携工場でした。
それからは、カー用品店ではなく、常にオートウェイで購入するようなってしまいました。
ディーラーや、カー用品店で購入を検討しているなら、1度見て見るのも良いかと思います。下にリンクを貼っておきます。また、ここでは紹介していませんが、他にも通販で色々やっているところも有りますので、調べて、比較検討しても良いかもしれません。
そんなわけで、今回の記事は、タイヤの劣化の見きわめ方から、安くタイヤを購入する方法まで書いてみました。
今回の記事は以上で終了です。
- タイヤサイズの見方 インチ・扁平率・製造時期など
- ホイールサイズの見方 インチ・リム幅・P.C.D・インセットとアウトセット
- 世界のタイヤメーカー一覧
- タイヤの交換時期の目安 劣化の判断方法と長持ちさせるコツ
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