ハーレーなどのアメリカ系のバイクには、ユニファイ規格と電装系などの一部にミリ規格のねじが使用されています。
日本で主に流通しているのは、ミリねじなので、ユニファイねじは特殊な分類に入り、入手しずらい規格になります。
ホームセンターでも、ほとんど見かけることがありません。
では、ミリねじとユニファイねじって何が違うのでしょうか?
ユニファイねじとは?
ユニファイねじは、インチねじの一種です。
ミリねじとインチねじの大きな違いは、
- ミリねじはメートル法を基準としている。
- インチねじはヤード・ポンド法を基準にしている。
ところです。
日本は、メートル法の国なので、ミリ・センチ・メートルという単位にはなじみがあると思います。
ミリねじの場合は、太さも長さもミリ表記になります。
対してインチ規格になると、1インチ=25.4mmという中途半端な数値が基準になるので、とたんに分かりづらくなります。太さも、インチ(番手や分数での表記)。長さもインチでの表記となります。
また、インチねじには、古いイギリス系の規格であるウィットと、アメリカ・イギリス・カナダであらたに統一されたユニファイ規格があり、さらに混同してしまいます。
分かりづらいので、表にまとめると、こんな感じに枝分かれします。
→ミリねじとインチねじに分かれる。
→インチネジは、古いイギリス系のウィットと、アメリカ系のユニファイに分かれる。
→ユニファイネジは、さらに、ねじ山の隙間(ピッチ)が普通なものと細かいものに分かれるといった感じです。
大まかな分類ではありますが、日本で主に流通しているネジの規格はこんな感じになります。
ウィットとユニファイの違い
ウィットとユニファイの最大の違いは、ネジ山の角度です。
ウィットは55°、ユニファイは60°となります。(参考:ミリネジは60°)
太さとピッチ(ねじ山の隙間)があっていれば、ユニファイのナットに、ウィットのボルトは入ってしまいますが、しっかりとした締結はできないので互換性はありません。ミリねじに対しても同様です。
ウィットねじは、JIS規格から削除されていますが、建築関係などで根強く残っているため、ホームセンターで販売されているインチねじのほとんどが、ウィット規格のねじになります。
ユニファイネジの並目と細目
ユニファイねじには、同じ太さであっても、ねじ山の隙間(ピッチ)が並目のものと、細かい細目のものがあります。ピッチは、ミリネジの場合、隙間をミリ単位で表しますが、インチネジの場合、25.4mm(1インチ)の中に何山のネジ山があるかで表します。
ユニファイネジの並目のものをUNC、細目のものをUNFと表記します。
ユニファイネジの規格の見方
ユニファイネジの規格は以下のように表します。
UNC・・・ユニファイネジの並目
5/16・・・太さは、約7.938mm
18・・・25.4mmの中にネジ山が18山
3/4・・・長さは、約19mm
ということになります。
分数で表されるインチネジの長さと太さですが、下記のように計算すればミリに換算することができます。
ユニファイねじの規格表
ユニファイねじの規格とミリ換算の太さ、UNC・UNFの山数をまとめた表です。
ねじの 呼び寸 | UNC | UNF | 外径 ミリ換算 |
ねじ山数 | ねじ山数 | ||
No.0 | - | 80 | 1.524 |
No.1 | 64 | 72 | 1.854 |
No.2 | 56 | 64 | 2.184 |
No.3 | 48 | 56 | 2.515 |
No.4 | 40 | 48 | 2.845 |
No.5 | 40 | 44 | 3.175 |
No.6 | 32 | 40 | 3.505 |
No.8 | 32 | 36 | 4.166 |
No.10 | 24 | 32 | 4.826 |
No.12 | 24 | 28 | 5.486 |
1/4 | 20 | 28 | 6.350 |
5/16 | 18 | 24 | 7.938 |
3/8 | 16 | 24 | 9.525 |
7/16 | 14 | 20 | 11.112 |
1/2 | 13 | 20 | 12.700 |
9/16 | 12 | 18 | 14.288 |
5/8 | 11 | 18 | 15.875 |
3/4 | 10 | 16 | 19.050 |
7/8 | 9 | 14 | 22.225 |
1" | 8 | 12 | 25.4 |
まとめ
ほとんどのホームセンターでは、ミリねじとウィットねじが販売の主力となります。
大型のホームセンターであれば、一部、電機設備やパソコン関連のねじとして、ユニファイねじを販売しているお店もありますが、どれも小さなねじばかりで、バイクに使用できるものは、ほぼありません。
ユニファイの太径ねじが必要な場合は、必要なねじの規格を良く調べたうえで、ネットで購入するのが確実な方法だと思います。