車とバイクのDIY

ネジの十字穴が潰れる(なめる)原因と、潰さない方法

ネジの十字穴が潰れる原因_アイキャッチ

 

ネジの十字穴が潰れる原因とは?

車やバイクのネジが固着して外れない。挙句のはてに、十字穴が潰れて、外す事さえ諦めたなんて経験ありませんか?

十字穴が潰れてしまったら、ドライバーでの取り外しをあきらめて、専用の工具を使用するしかありません。

正直、めんどくさいです。

そうならないためにも、十字穴は潰さない!という意気込みで、ネジの取り外しに取り掛かりましょう。

十字穴が潰れなければ、ネジの再利用もできますしね。

 

十字穴がつぶれる理由。

 

ネジを外す時に、十字穴が潰れる主な理由として、

  1. 工具の選定が間違っている。
  2. 取り外し方が間違っている。
  3. ネジが完全に固着していまっている。

の3パターンがあるかと思います。十字穴を潰さない方法も合わせて、説明していきます。

 

1.工具の選定が間違っている場合

十字穴のネジを外すので、おそらく、プラスドライバーを使用していると思いますが、プラスドライバーにも種類があるのを知ってますか?

適正なドライバーを使用しないと、ネジにチカラが伝わらず、十字穴の潰れにつながります。

 

ドライバーの番手はあってますか?

使っているドライバーとネジの番手は合ってますか?プラスドライバーには、番手という規格があります。

 

ネジとドライバーの関係

 

ネジは、軸の太さ(呼び径)と、頭の形状によって十字穴の大きさが決まっています。この大きさに合わせて、ドライバーの番手を使い分けなければならないのです。

2番のドライバーで回さなければならない十字穴に、1番のドライバーを使用すると、チカラがネジに伝わらず、スグになめてしまいます。

ネジとドライバーの適合番手は以下の通りとなります。番手は、#と数字で表されます。#2は、2番ということになります。

 

ネジの呼び径
(太さ)
ネジの頭部形状と十字穴の番手
皿頭なべ頭トラス頭バインド頭
M2#1#1#1#1
M2.2
M2.3
M2.5
M2.6
M3#2#2#2
M3.5#2
M4
M5
M6#3#3#3#3
M8

番手が合っていても、長年の使用でドライバー先端が、摩耗してしまっている場合も同様の症状となるので注意が必要です。

 

工具の種類はあってますか?

輸入品に取付られているネジには、十字穴に見えても、実はちょっと違うものがあります。

ポジドラっていうネジで、下のようなものです。正式にはポジドライブといい、イギリス発祥のものです。よく見ると、穴の周りに切り欠き状の模様が見えると思います。ドライバーも同じように、形状が異なるのが分かると思います。

 

ポジドライブと普通の十字穴

 

十字穴と比較して、ネジにチカラを伝えやすいという特長がありますが、ポジドラには、ポジドラ用のドライバーが必要となります。

イギリス発祥のネジなので、ヨーロッパからの輸入品に多く見かけることが多いです。ちなみに、普通の十字穴(フィリップスといいます)はアメリカ発祥です。

ポジドラのネジを、普通のプラスドライバーで回すと、なめやすくなります。逆もしかりです。

このところ、100円ショップのネジセットの中にも、このネジが入っているのを、よく見かけます。
100円ショップのバイヤーさんが、この辺の事情を知っているとは思えないので、購入の際は注意して見てみてください。

 

2.取り外し方が間違っている場合

取り外し方と、仰々しく言っても、ドライバーを使って回すだけの作業です。ただし、チカラのかけ方などの違いで、潰しにくくする事もできますので説明します。

 

カムアウトって知ってますか?

ネジの断面を見ると、十字穴には、角度(テーパー)がついています。同様に、ドライバーの先端にも、角度(テーパー)が付いています。

 

ドライバーと十字穴のテーパー

 

十字穴にドライバーを差し込んで、ネジを回そうとすると、回転力の他に、テーパーを上るチカラが大きく発生します。このままチカラを加えていくと、最終的には、十字穴からドライバーが抜けてしまいます。

これをカムアウトといいます。

カムアウトのが起きる理屈

 

カムアウトが起きると、十字穴にドライバーのチカラが十分に伝わらずに、十字穴が潰れてしまう原因となります。

これを回避するには、十字穴にしっかりとドライバーを押し付けながら回転させる事が必要になります。

一般的には、回転させるチカラ3に対して、押し付けるチカラ7程度の比率が良いとされています。

 

ネジを回すための適正なチカラ配分

回すという意気込みよりも、押し付ける気持ちが大事になります。

 

姿勢を整えることも大事

少々、大げさな言い方ですが、ネジを回す時は、姿勢を整えて、ドライバーを、十字穴に対して、まっすぐに差し込むようにしてください。

 

十字穴に対するドライバーの角度

 

十字穴に対して、ドライバーが斜めになっていると、ドライバーのかかる箇所が小さくなり、カムアウトを起こしやすくなります。

 

3.ネジが完全に固着してしまっている場合

ネジが、固着してしまっている場合は、十字穴が潰れる前に、早々に諦めましょう。無理にこじると十字穴は、簡単に潰れます。

固着しかけの場合であれば、ネジにドライバーを思い切り押し付けて回せば、外せる事もありますが、完全に固着している場合は、ケミカルを試してみるという手段もあります。

 

具体的にケミカルの品名を挙げると、

高い浸透力によって、ネジの隙間に潤滑成分を浸透させていき緩みやすくするという、浸透潤滑系では、話題の鈴木機工のベルハンマーや、信頼のワコーズブランドのラスペネなどがあります。

 

また、固着したネジを瞬間冷却する事で、ネジを収縮させ、その隙間に潤滑剤を浸透させるという、冷却+潤滑系では、レグラス ラストブリザーブや、呉工業の凍結浸透ルブなどが代表的なところでしょうか?

 

どちらも、効果が薄いと感じるものもあるので、吹き付けたら効果を見ながら、徐々に外していくのが良いかと思います。無理に外そうとしないことです。Amazonのレビューも結構な件数があるので、初めて使う場合には、参考になります。

あと、冷却系のものは、思った以上に、量を使うので、ネジ外しに取り掛かる前に想定しておいてください。

 

それでも、十字穴が潰れてしまったら。

 

それでも、十字穴が潰れてしまったら、専用の工具を使用するしかありません。

軽度の潰れであれば、輪ゴムを十字穴に差し込んで、ドライバーで回すという方法もありますが、さらに悪化させるだけになるかもしれないのでオススメしません。

完全に十字穴が潰れてしまった場合は、

兼古製作所(ANEX)の『なめたネジ外しビット』または、株式会社エンジニアのネジザウルスなどの専用の工具を使用するのが良い方法かと思います。

ネジザウルスには、大まかに、ネジ頭部が出っ張っている、鍋頭や、トラス頭・バインド頭などを外すタイプと、ネジ頭部の出ていない、皿頭を外すタイプの2タイプがあります。

頭部が出っ張っているネジを外すには、ペンチタイプのネジザウルスを使用して頭部をつかんで回します。

これ、なかなか凄いですね。ホームセンターに行くと、お試しコーナーもありますので、試してみれば驚くと思います。

ネジザウルスのお試しコーナー

 

頭部の出ていないネジを外すには、ネジザウルスバズーカを使用して、十字穴にタップを立てて外す事になります。『なめたネジ外しビット』と『ネジザウルス バズーカ』は同様な考えの製品となります。

詳しい使い方と特徴は、各メーカーのHPに記載されています。価格も違うので比較してみると良いかと思います。

 

あっ、それと固着と言えば、サビですよね。嫌なサビを落すケミカルの比較記事もありますので、ご興味があったらどうぞ!

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なめにくいネジ

 

ここからは、少し、余談になります。

ネジを回すための穴は、正式には、リセスという呼称がついているのですが、十字穴以外にも、種類があります。

たとえば、四角穴や六角穴などです。潰れやすくナイーブな十字穴と比較すると、ネジへのトルク伝達も良く、潰れにくいリセスです。

その他にも、カムアウトしにくく、トルクもかけやすい、トルクス(ヘックスローブ)と呼ばれる、決定版的なリセスもあります。

星形の特徴的なリセスで、工業製品や自動車の組み立てに、広く採用されているので、何となく目にはしていると思います。

とにかく、カムアウトしにくい優良なリセスなので、別記事で、専用工具のこととか詳しく書いてます。

欧州車乗りの方は必読ですので、そちらの記事もご覧ください。

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『ネジの十字穴を潰さないため』のまとめ

 

ここまで、十字穴を潰さない方法を書いてきました。

ネジがサビなどで、完全固着してしまっている場合以外は、適正なドライバーの使い方をすれば、回避できる事も多いかと思います。

とにかく、十字穴を潰さないためには、しっかりと押し付けるチカラを加えながらドライバーを回す事です。これは、バイクや車のネジを外すのはもちろん、木工工作などのDIYでも、同じです。電動工具を使用する場合にも、工具をネジに押し付けながら施工する必要があります。

少しでも、十字穴からドライバーが浮いてきたなと思ったら、カムアウトの前兆です。

潰れてしまってからでは、対応が厄介になりますので、頑張って押し付けながら回してください。

 

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