【詳細版】缶スプレー塗料でキレイに塗装する方法

缶スプレー塗装_アイキャッチ

この記事は、これから車やバイクを塗装しよう!と考えている人のためのものです。

この手順通りに進めれば、缶スプレー塗料のDIYペイントでも、キレイに塗る事ができるはずです。

実際、自分がペイントしたバイクの買い取り価格は、カスタムペイントという事で評価してもらっています。缶スプレーで塗ったら、普通は下がりますよね。

始める前は、手順が多いと思うかもしれませんが、始めてしまえば、楽しさの方が勝ると思います。

缶スプレー塗装の手順

工程としては、以下の表のとおり。キレイに仕上げようと思ったら、1日では完成しません。

なので、日程には余裕をもって作業を開始してください。

特に、通勤用に使用しているバイクなど、パーツを外してしまうと、塗装中は乗れなくなるので注意が必要です。

塗装の工程日数

では、塗装の段取りに入ります。

前準備編・下地作り編・上塗り塗装編に分けて説明していきます。

塗装してみるのは、このパーツ

手順紹介のために、小さなパーツを塗装していきます。

その辺に置いてあった、ABS樹脂製のパーツです。多分、リアワイパーの根元のカバーだと思いますが、不明です。

もともとゴールド系のカラーのものを、ブラックに色変えします。

大きなパーツや、車のボディでも、同様の手順ですので参考にしてください。

前準備編

必要なものを用意

塗装作業に必要なのは、以下のようなものです。

純正色で塗る場合は、自分の車のカラーナンバーを調べて、カーペイントを購入してください。カラーナンバーの調べ方が分からない場合は、コチラの記事をご覧ください。

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塗装条件を確認

塗装する場所と塗装する日の条件を確認します。

確認事項

  • 温度は、最低でも5℃以上ありますか?
  • 夏の直射日光下などで、被塗物が熱くなりすぎてませんか?
  • 夏の夕立後など、高温多湿ではありませんか?※1
  • 塗装する場所が、マフラーなど高温(80℃以上)になる部分ではないですか?※2

※1)高温多湿時にラッカー系の塗料を塗ると、空気中の水分を取り込み、白く濁ったような、塗装かぶりが発生する事があります。特に、黒など色の濃いものに発生しやすいです。

※2)高温になる部分に塗装する場合は、通常の塗料は使用できません。詳しくは、コチラの記事をご覧ください。

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下地作り編

足付け作業

まずは、足付けという作業です。

足付け作業は、サンドペーパーで研磨する事で、塗装面にキズをつけて、塗料がしがみつく足場を作る作業です。

ツルっとした面では、塗装が剥がれやすくなるので、研磨残しが無いように端まで磨きつくします。

足付け作業の工程を詳しく書いた記事もあります。

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この後の工程で、プライマーを吹くので、足付けは不要かもしれませんが、やらないよりは、やっておいた方が間違いないです。

脱脂

シリコンオフなどの油分除去剤で、油分を除去します。油分が残っていると塗装が弾いてしまいます。

手で触っただけでも、手の皮脂などが付着してしまっているので、必ず行ってください。

シリコンオフで油分除去

シリコンオフをスプレーして、ショップタオルや、油分の付いていないフキンなどで拭きとります。端に油分がたまりやすいので、念入りに。

マスキングテープを貼る(必要であれば)

この記事のように、パーツ全体を塗装してしまう場合には、必要ありませんが、塗りたくない箇所がある場合は、マスキングをしていきます。

マスキングテープの貼り方を知りたい方は、部分補修の場合と、塗り分け塗装の場合で説明した記事もあります。

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マスキングした後は、再度脱脂してください。

ミッチャクロンを塗布

ミッチャクロンは、プライマーの1種で、下地材と上塗りをしっかりと定着させるための接着剤だと考えてください。

これを怠ると、せっかくキレイに塗れたと思っても、スグに塗膜が剥がれてしまったりします。塗装後もキレイに保持するためには必須です。

鉄部であれば、プラサフのプライマーが作用するので不要ですが、今回は、樹脂に塗装するので樹脂対応のミッチャクロンを吹き付けます。

樹脂用のプライマーも種類が色々ありますが、自分は対応素材の幅が広い、ミッチャクロンを使用しています。

ミッチャクロンに関して、対応素材や塗り方。注意点など詳しく書いた記事があります。

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プラサフを塗る

プラサフは、プライマーとサフェイサーを混ぜ合わせたものです。

プライマーは、ミッチャクロン同様に、下地材と上塗りをしっかりと定着させるための接着剤ですが、プラサフのプライマーは鉄部用の作用に限定されます。

もう一方の、サフェイサーは、表面をキレイに整えるための下地作りです。化粧品のファンデーションと同じと考えてください。

この工程で、パテ埋めの、小さな隙間や、サンドペーパーの痕などを消す事ができます。

プラサフを塗る

プラサフの塗り方や、使う意味などを詳しく書いた記事があります。

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水研ぎをする

プラサフが乾燥したら、#800~#1000程度の耐水ペーパーに、水を付けながら、表面を研磨していきます。

表面をなでるようなイメージで、手で触ってなめらかに感じるようになるまで研磨をします。

プラサフを水研ぎ

この工程までで、下地作りは完成です。ツルっとした表面ですが、艶感のない、見るからに塗装が乗りやすそうな下地ができたと思います。

もし、凹みや、塗装のハジキなどある場合は修正が必要です。プラサフが弾いてしまっている部分は、無理に上塗りをしようとしても、上塗りも弾きます。

その場合は、修正部分を下地まで研磨して、脱脂・ミッチャクロンからやり直します。

上塗り塗装編

ついに塗装編です。ここでやっと色を乗せる事ができます。

難しそうに見える上塗り塗装ですが、しっかりとした下地ができているので、慌てずに進めれば、失敗する事はありません。

脱脂

ここでも、脱脂を行います。しつこいかもしれませんが、脱脂は塗装で大事な作業なのでクセにしてください。

プラサフのあとは、シリコンオフの成分が影響するので、使用しない方が良いという方もいますが、油分が悪さをする方が厄介なので、ここはシッカリと脱脂しましょう。

シリコンオフで油分除去
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上塗り塗装

しっかりと脱脂ができたら、上塗りのカラー塗装をしていきます。

もし2トーンなどの重ね塗りを考えている場合は、重なる塗料に注意が必要です。相性があるのでコチラの記事を確認してください。

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では、塗っていきます。

塗装の基本は、薄く薄く塗り広げる事ですが、上塗り塗装の場合は少しだけ違う部分があります。

上塗り塗装は、吹き方を変えて、3回に分けて仕上げていきたいと思います。

塗装と塗装の間隔は、外気温にもよりますが、10~15分程度で良いと思います。

塗装1塗り目

上塗り1回目

極薄く、スプレーを散らしていくイメージで。

散らすといっても、スプレーする位置が遠すぎると、ゆず肌などの不具合がでるので、ノズルから塗面までは、20cm程度をキープして手早く塗り広げます。

この時点で、塗装のハジキなど問題が無いか確認しておきます。

塗装2塗り目

上塗り2回目

1回目の塗装よりも、やや厚めに塗装するイメージです。

下地の色が見えなくなるまで、塗っていきます。1回目同様に、ノズル位置は、塗面から20cm程度です。

ムラになっている部分がないように、全体的に良く見て塗り潰す感じです。

塗装3塗り目

上塗り3回目

仕上げの3回目です。仕上げは、やや、ノズル位置を塗面に近づけ、厚めに噴霧します。垂れないギリギリのところを狙う感じです。

始めのうちは、どの程度が垂れないギリギリなのか分からないと思いますので、どうでもいいモノを塗ってみてください。スグにこの程度か!というのが分かると思います。

これで上塗り塗装が完了しました。次の工程はクリア吹きなので、修正がしにくくなります。

この時点で、塗りムラ、塗り残しがないか良くチェックしてください。まだ、追加で塗装の上塗りは可能です。

※ウレタンクリアではなく、普通のアクリル系クリアを使用する場合は、乾燥を待たずに上塗り塗装の4回目・5回目程度のつもりで吹付けを行います。上塗りが完全乾燥してしまうとクリアが定着しにくくなります。

脱脂

上塗りから、3~4日程度乾燥(ソフト99を使用の場合は上塗り直後)させたら、再び、脱脂します。おなじみのシリコンオフを吹きかけて、良く拭きとってください。

クリア前のシリコンオフで脱脂

触らなくても、乾燥している間に、周囲や空気中の油分などが付いている可能性があるので、必ず行います。塗装前には、必ず脱脂!です。

ウレタンクリアー塗装

塗装としては、最終工程のクリアー吹きです。

使用するのは、普通のクリアでも良いですが、自分がオススメなのは、2液性のウレタンクリアです。少々高いですが、圧倒的に艶感と表面の硬度が違います。

ホルツのウレタンクリアを塗装

ココに注意

ウレタンクリアのメーカーによって、上塗りからクリア塗装するまでの乾燥時間が異なります。上塗りの塗料+ウレタンクリアの両方ともソフト99の場合、クリア塗装のタイミングは、上塗り塗装の直後になります。

ウレタンクリアの塗り方や注意点。特にソフト99とホルツの違いをまとめた記事がありますので見てみてください。

2液性ウレタンクリア比較記事のアイキャッチ
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どうでしょうか?。キレイに塗れましたか?。もし垂れてしまっても、ウレタンクリアは塗膜が厚いので、修正ができます。慌てず騒がず、乾燥を待ってリカバリーしていきましょう。

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コンパウンド磨き

ついに最終工程のコンパウンド磨きです。ただ、ウレタンクリアの時点でツヤツヤ・ヌラヌラの仕上がりになっていると思うので、それで満足であれば、この工程は不要です。

さらに高みを目指す人だけに必要な工程です。

コンパウンド3種類
コンパウンドで研磨

磨きをするのは、ウレタンクリアを塗装してから、1週間程度の乾燥期間をおいてください。乾燥が進んでいないと、コンパウンドの粒子が塗面に食い込み、濁ってしまう事があります。

コンパウンドも、サンドペーパーと同様に、やや粗いものから使用して、最終的には、鏡面の極細を使用して仕上げます。適量をキレイな布やスポンジにとり、直線的に磨いていきます。満足いくまで磨けたら完成です。

コンパウンドの使い方や、番手の使い分け方。液体とペーストの違いなど詳しくはコチラをご覧ください。

コンパウンドの使い方_アイキャッチ
コンパウンドの使い方。ペーストと液体は何が違う?番手の選び方は?

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塗装工程の総括

これで、作業は完了です。どうですか?キレイに塗れましたか?

パーツを取り付ける前に、ワックスをかければ完璧です。プロが塗装したものと、遜色ない仕上がりになっていると思います。

気になる塗装の耐久性ですが、樹脂パーツ・鉄パーツともに、8年程度の経過観察をしていますが問題は出ていません。艶のヒケもほとんど感じられない状況です。

慣れてくれば、バイクならオールペンとかもできるようになると思います。面倒な工程は多いですが、ぜひ、細かなパーツから試してみてください。

小さなパーツでも雰囲気は一気に変わるので楽しいはずです。少なくとも、自分は楽しくてたまりません。

ということで、以上、スプレー塗装を詳しく紹介した記事でした。

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