塗装前の脱脂作業は必須。脱脂しないとどうなるの?

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塗装前には脱脂が重要_アイキャッチ

脱脂は、塗装の工程において、非常に重要な作業です。油がついた面では、塗料が弾いて付着しないからです。

一度、弾いてしまった塗面には、重ね塗りしようとしても、さらに弾いてしまうのでリカバリーできなくなります。

塗装の浮きを発見した時点で、諦めて、初めからやり直すしかなくなるのです。

車やバイクの塗装は、下地作りがほとんどの時間を締めると言われています。

その下地作りの中でも、数回必要となるのが脱脂です。重要な作業なので、塗装工程の前には、必ず行うクセをつけておくと良いでしょう。

この記事では、塗装前の脱脂の仕方と必要なものを説明していきたいと思います。

缶スプレー塗装の作業工程をまとめた記事もありますので、そちらも参考にしてください。

塗装前の脱脂が重要な理由

「塗装面に、油分が付着することなんて、そうそうない。」そう思っていませんか?。でも、人の皮脂も油です。

触っただけでも油がつきますし、道路のアスファルトや、排気ガスにも油が含まれています。室内でも料理をすればオイルミストが飛散しています。

下地処理中に、そんな環境にあるわけですから、塗装面に油分が付着していても自然な事です。

わずかな油分に感じますが、それでも塗装は、弾いてしまいます。目に見えない弾きでも、密着不良となっていることもあります。

試験的に、塗装面に油分を付けて塗装してみます。

油分が付いた状態で塗装をすると

今回は、ポテトの揚げ菓子を食べた指で塗装面を触ってしまうという、ありえそうなシチュエーションを設定してみました。これで、ポテトの油分は、塗装面に付着した状況となります。

この状態で、缶スプレー塗料の赤を数回薄く塗装してみたのが下の画像です。

油分の付いた面に塗装した画像

油分のついた部分は、弾いてしまっています。弾いてしまったあとも、2回ほど塗り重ねましたが、リカバリーはできません。

塗装面の油分を除去することは、塗装作業にとって必須なことなのです。

おすすめの脱脂の方法

塗面の油分を除去する方法として、パーツクリーナーを使う方もいますが、樹脂系のパーツでは下地を侵したりするのでオススメしません。アセトンやアルコールも濃度によるので、塗面の材質に適した塗装専用品を使うようにしましょう。

では、手順を紹介します。念には念を入れた方法なので、少し面倒くさいですが確実性を重視します。

まずは、台所用の中性洗剤で洗浄します。

中性洗剤は、食器の油汚れを洗浄するものなので、塗装面の油分も除去することができます。新品(油分を含んでいない)のスポンジに中性洗剤を含ませて塗装面を洗います。

全体が洗浄できたら、洗剤が残らないように水で良くすすぎます。

その後、塗面を触らないように、きれいなウエスで水気をふき取り、自然乾燥させます。

シリコンオフで油分除去

水分が乾燥したら、シリコンオフなどの油分除去剤(脱脂剤)を使用して、表面に残った油分を取り除いていきます。

シリコンオフを吹きかけている画像
ウエスで拭き取っている画像

シリコンオフを吹きかけ、できる限りケバがでないウエスを使用して拭き上げます。

エッジ部分に油分が残りがちです。油分は目に見えないので、拭き忘れないようにしてください。

油分除去完了

シリコンオフは、有機溶剤系なので、拭き取り後、スグに乾燥します。これで、脱脂作業は完了です。

シリコンオフの使用だけでも、油分は充分に除去できますが、事前に中性洗剤で洗う事で、ウエスが入らない部分や、拭き忘れによる油分残りを防ぐ事ができます。

時間がない場合は、念入りにシリコンオフをすれば、洗浄は不要です。

注意点

シリコンオフなどの油分除去剤は、有機溶剤系となります。缶スプレー塗料と同じような臭いがするので、屋外の換気の良い場所で使用するようにしましょう。また、手袋やマスクの着用が必要な場合があります。

脱脂作業に必要なもの

脱脂作業に必要なのは、油分除去剤(脱脂剤)と、ケバの出にくいウエスです。

当サイトでは、塗面専用の油分除去剤(脱脂剤)の使用をオススメしています。容量の小さなものでも、結構な面積の油分除去ができますので、頻繁に塗装をしない方は、小容量のもので充分かと思います。

油分除去剤(脱脂剤)

手に入りやすく、信頼性のあるのは、やはりソフト99とホルツの2ブランドだと思います。ホームセンターでも、カー用品店でも、どちらかのブランドが入手できます。

ソフト99 シリコンオフ

ソフト99 シリコンオフ
名称脱脂洗浄剤
用途自動車補修の脱脂処理用
成分石油系溶剤
内容量エアゾール(150ml・300ml)

使い方

  1. 削りカスや汚れは前もって洗い流し、水分が残らないように拭き取る。
  2. 缶を良く振り、脱脂したい部分にスプレーする。
  3. 乾かないうちに、柔らかいキレイな布で面を変えながら拭き取る。

容量は、150mlと300mlのエアゾールと、拭き取りシートタイプがあります。150mlは、ちょっと使いのチビ缶という扱いです。ただ、チビ缶でも、パーツの塗装や部分補修程度であれば、しばらく使えます。

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150ml チビ缶
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300ml メインサイズ
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シート

ホルツ シリコーンリムーバー

Holts シリコーンリムーバー
名称脱脂剤
用途自動車補修の脱脂処理用
成分石油系溶剤
内容量エアゾール(180ml・300ml・420ml)

使い方

  1. 缶を良く振って使用箇所に10~20㎝離してスプレーする。
  2. 液が乾かないうちに、きれいな柔らかい布で拭きとる。
  3. 揮発性の高い原液を使用しているのでスプレー後、素早く拭き取る。

内容としては、ソフト99のものと同様です。塗装前の脱脂に、安心して使用できます。420mlのものは、アマゾン限定商品となります。300mlのものよりも安いのでお得です。

ウエス

ウエスは、ケバがでない事と余計な静電気が起きない事が重要です。静電気はホコリを呼ぶので、塗装の際のブツにつながります。また、結構な臭いがつくので、使い捨てが良いと思います。入手性とコストのバランスから、ショップタオルをオススメします。

ショップタオル

scott ショップタオル
名称Scott ショップタオル
ブルー
ロール枚数55枚

用途・特徴

  • 自動車・自転車等のクリーンアップ作業時等用タオル
  • 布ウェスなどに比べ、紙なので油汚れ、ペイント汚れの拭き取り後は使い捨てが出来て便利。
  • 吸水(油)性に優れているため、一枚で機械・工具などのグリースや油汚れ、ペイントなどの液体こぼれをきれいに拭き取ることができる。

定番のショップタオルです。丈夫でケバも出にくく使いやすいです。脱脂作業だけではなく、洗車や家の掃除にも使えるので、余っても便利に使えます。1ロール55枚ですが、あっという間に使ってしまいます。

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日本製紙クレシア(NIPPON PAPER CRECIA)
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まとめ

塗装をキレイに仕上げるには、かなりの時間がかかります。

そのほとんどの時間を下地作りに要しますが、工程を省いて失敗したら、また初めからやり直しです。工程を経てしまっている場合は、元に戻す手間もかかります。

結局は、確実に作業を進める事が、一番の近道になるわけです。

脱脂も、ついつい軽んじてしまう作業ですが、もし塗装が弾いてしまったら、剥離してやり直しとなります。

面倒くさがらずに、確実に進めていきましょう。

MARUCORO編集部

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