車を補修塗装する時に使用する、ソフト99とホルツのスプレーペイント。
使用用途が同じだから、中身の成分も同じだと思っていませんか?
特にこだわりがなければ、購入するお店で取り扱いのあるメーカーのものを購入すれば良いでしょう。
ただ、少しだけ、性能にも差があるようなんです。
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早速ですが、ソフト99とホルツの塗料を比較してみます。
ソフト99とホルツは何が違う?
最初に、最大のポイントから言ってしまいます。
下の画像を見てみてください。ソフト99とホルツの成分表です。
⇒ホルツの方には、ニトロセルロースが含有されているので、ラッカー塗料だということが分かります。
⇒ソフト99の方は、アクリルと有機溶剤の組み合わせなので、合成樹脂塗料となります。
つまり、成分表を見る限り、塗料の種類が違うことになります。
ラッカーと合成樹脂塗料の違いは、あとで書きますが、これが、ソフト99とホルツの最大の違いとなるわけです。
その他の違いと言えば、細かな事ですが、ちょっとだけ、まとめておきます。
塗る面と噴射口の適正距離
- ソフト99 → 15~25㎝
- ホルツ → 15~30㎝
塗り重ね時間(インターバルタイム)
- ソフト99 → 10分程度の乾燥時間
- ホルツ → 15~20分程度の乾燥時間
使い方の違いといったら、こんなもんでしょうか。やはり、ラッカー塗料と合成樹脂塗料の違いが気になります。
ラッカー塗料と合成樹脂塗料の違い
ラッカー塗料と、合成樹脂塗料は何が違うのでしょうか。違いを簡単にまとめてみました。
ラッカー塗料 | 合成樹脂塗料 | |
樹脂 | ニトロセルロース アクリル樹脂 | アクリル樹脂 |
溶剤 | 強い有機溶剤 | 有機溶剤(水性もあり) |
乾燥時間 | かなり早い | 早い |
塗膜硬さ | 硬い | やや柔らかい |
耐久性 | ◎ | △ |
耐候性 | △ | ○ |
塗膜は、ラッカーの方が硬くなる傾向にあります。塗膜が硬いので耐久性も高いです。合成樹脂塗料の場合は、塗面にやや粘着性があり、爪で引っ掻くと、引っかかる感じがします。
耐候性に関しては、合成樹脂塗料の方が若干良いです。ただし、何社かの塗料メーカーに問い合わせてみましたが、ほとんど同等とみなすとの回答だったので、本当にわずかに良い程度だと思います。
溶剤は、ラッカーの方が強いものを使用しています。溶剤が強ければ溶解性能も強い事になります。重ね塗りをする場合は注意が必要です。
自分も、ソフト99・ホルツともに、よく使用しますが、イメージとしては、ソフト99の方が、塗膜がやや柔らかくて、厚めの感じがします。ホルツの方は、下地の隠蔽率が低いのか、キレイに塗るには、重ね塗りの回数が多くなる感じがします。
ソフト99とホルツは併用できるのか?
「塗装の途中で、塗料が足らなくなって、買いたそうと思ったら、他のメーカーのものしか売ってなかった」っていうシチュエーションを想像してみてください。
この場合、ソフト99とホルツで、同じカラーナンバーなら、合わせて使用していいのでしょうか?。
これ、結論から言っていまうと、ダメだと思います。
理由は、同じカラーナンバーの塗料を使用したとしても、メーカーが違えば、色味が若干異なるし、溶剤の強さが違えば問題が起きるからです。
例えば、合成樹脂塗料を塗った上に、重ねてラッカースプレーを噴霧したとします。ソフト99の上に、ホルツを重ねるイメージです。
その場合、合成樹脂塗料の溶剤よりも、ラッカースプレーの溶剤の方が強いので、下に塗ってある、合成樹脂塗料の塗膜を溶かして、リフティングを起こしてしまうことになります。
まれに、溶剤の揮発具合などで、何事もなく塗装できることもありますが、重ね塗りの基本として、塗料には相性があることを覚えておきましょう。
色味が違うくらいなら我慢できる方もいるでしょうが、塗膜が溶けてしまっては、大失敗です。下地処理から剥離して、やり直す事になってしまいます。
ソフト99とホルツは、塗料の種類が違う(溶剤の強さが違う)ので、併用は避けた方が良いという結論になります。
まとめ
ソフト99とホルツの違いを調べてみた結果、
ソフト99は、合成樹脂塗料
ホルツは、ラッカー塗料
と、塗料の種類が違うことが分かりました。
ここまで、違いがあると、下地にプラサフ・上塗りにウレタンクリア仕上げという場合にも、一貫して同じメーカーのものを使用した方が良いかもしれません。
いままで、メーカーごとの違いなんて気にせずに使っていましたが、最低限、性能差・塗料の相性は、考えて使用しないとダメだという事が分かりました。
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