車の補修塗料売り場に、プラサフって必ずありますよね。
必ずあるって事は、出番が多い塗料だってことなんですが、プラサフって何に使うか分かりますか?。色も薄いグレーとホワイトだけだし、塗料にしては選択肢が少なすぎます。
プラサフを使う場面としては、
- 鉄素地が出ている部分を塗装する時
- パテ付けをした補修部分を塗装する時
- サンドペーパーのヤスリ痕をキレイに隠して塗装をしたい時
- 濃い色のパーツを色替えしたい時
には、必要なモノなんです。
ということで、この記事では、プラサフとは何?・使い方は?・薄いグレーとホワイトの使い分け方は?という内容で書いてみたいと思います。
プラサフとは?
プラサフって簡単に書くと、プライマーとサフェイサーを合わせた略語なんです。英語だとprimer & surfacerという感じ。プライマーの『プラ』とサフェイサーの『サフ』でプラサフですね。それぞれの意味はというと、
プライマーとは
塗装の下地に膜を張って、上塗り塗料の密着性を向上させるものです。膜を張ることで、防錆効果も期待できます。
上塗り塗料だけでも塗装は、のりますが、ちょっとした事で剥がれてしまったりします。その剥がれを回避するための接着剤みたいなものと考えればOKだと思います。
サフェイサーとは
下地材の表面を滑らかにするものです。
サフェイサーを使う事で、パテ埋めなどの細かな凹みや、ヤスリ痕を埋める事ができます。パテ部分の塗装の吸い込みも抑制する事ができます。
スプレーできる、超超薄付けパテだと考えればOKです。
ということで、まとめると、プラサフの役割は、
上塗りとの密着性を良くし、下地の表面を滑らかにするものだということになります。
ただし、プラサフの場合、含有されているプライマーは鉄部用です。樹脂部に使用するには、別途、樹脂用のプライマーが必要です。
この場合、プラサフは、サフェイサーのみの役割となります。
グレーのプラサフとホワイトのプラサフの使い分け
一般的に市販されているプラサフには、グレーとホワイトがありますが、好みで色を選んでませんか?
実は、上塗りする塗料によって使い分けなくてはいけないのです。
説明すると・・・
塗料には、隠蔽性というものがあって、色によって隠蔽力が違うのです。隠蔽性とは、下地の色を覆い隠すチカラの事なのですが、想像してみてください。
〈黄色いスプレーで白い物を黄色く塗る〉のと〈黄色のスプレーで黒い物を黄色く塗る〉の、どちらが早くキレイに塗れますか?
当然、白の下地の物ですね。
つまり、黄色は下地の色を覆い隠すチカラが弱いという事です。
明るい赤とか、黄色は、隠蔽性の低い色なのです。なので、下地が薄い色の方がキレイに発色します。
プラサフで考えると、ホワイトプラサフを下地にした方がキレイに塗れるって事になります。これが使い分けをする理由です。
まとめると、
黄色・赤・オレンジなどの、鮮やかな色にはホワイトプラサフ
その他の色には、グレーのプラサフを使えば、大体は大丈夫という事になります。
[ここで疑問。上塗り塗料がホワイトの場合は、どうでしょう?]
少し迷いますが、白色自体は、隠蔽力が低い方ではありません。複数回の重ね塗りをする場合は、ホワイト・グレーのどちらでも良いかと思います。薄く仕上げるなら断然ホワイトプラサフを使うべきです。
また、一般的に、ソリッドカラーよりも、メタリックやパールカラーは隠蔽性が低いとされています。特にホワイト系のパールカラーには、ホワイトプラサフを下地にしたほうが良いです。
あと、補足ですが、下地の色によって、上塗りの色の見え方が変わってくることもあるので、赤であっても深い赤を目指すならグレープラサフを使うなんていう事もあります。
プラサフの使い方
プラサフの実際の使い方を順を追って説明します。
今回は、その辺に置いてあった、車の樹脂製パーツ(ABS樹脂)にプラサフをかけていきます。多分、リアワイパーの根元のカバーだと思いますが、不明です。
では、塗っていきたいと思います。
step
1足付け作業
適正な番手の、耐水サンドペーパーで足付け作業を行います。足付け作業は、塗装面にキズをつけて、塗料がしがみつく、足場を作る作業です。
足付け作業に関して、詳しく書いた記事がありますのでご覧ください。
耐水サンドペーパーの番手の選び方
耐水サンドペーパーの種類と番手による使い分け方
続きを見る
足付け作業の方法・工程
塗装前の下準備。足付けってどんな作業?
続きを見る
step
2脱脂
シリコンオフなどの、油分除去剤で塗装する面の油分の除去を行います。手で触っただけでも、手の皮脂などが付着してしまっているので、必ず行ってください。
step
3ミッチャクロンを塗布
鉄部であれば、プラサフのプライマーが作用するので不要ですが、今回は、樹脂に塗装するので樹脂用のプライマーを吹き付けます。
オススメは、対応素材の幅が広いミッチャクロンです。
ミッチャクロンの対応素材・塗り方・注意点などは、
ミッチャクロンの使い方と特長
続きを見る
step
4プラサフを塗る
下地が、見えなくなるまで、3回程度に分けて、薄く塗り広げます。塗装と塗装の間隔は10~15分程度。
プラサフは、薄く塗っていけば、上塗りする普通の塗料よりも垂れにくく、下地の隠蔽性も高いので、キレイに塗るのは難しくありません。
塗り終わったら、30分以上乾燥させます。プラサフは、他の塗料よりも早く乾燥しますが、時間があれば安全のため、1時間程度の乾燥をお勧めします。
step
5水研ぎをする
乾燥したら、#800~#1000程度の耐水ペーパーに、水を付けながら、表面を研磨していきます。表面をなでるようなイメージで、手で触ってなめらかに感じるようになるまで研磨をします。
これで、塗装前の下地作りができました。
しっかりとした、下地ができれば上塗りも、キレイにいくと思います。
この後の手順は、缶スプレーで塗装する方法をまとめた、集大成の記事もありますので、参考にどうぞ。
【詳細版】缶スプレー塗料でキレイに塗装する方法
続きを見る
まとめ
塗装の出来栄えは、下地作りが大きく影響します。特に上塗り直前の、サフェイサー(プラサフ)の工程は、その影響がモロにでますので、重要だと思います。
この工程を省いてしまうと、パテの痕が浮かびあがったり、サビが発生したりしてしまいます。
逆に、しっかりとサファイサーが施工されていれば、塗装のノリも良いので、薄く薄く塗り広げる事ができます。失敗しにくい塗面ができあがるという事です。
スグに上塗りしたい気持ちも分かりますが、失敗しないためにも、プラサフの工程は、甘く見てはいけないかと思います。
ということで、今回は、プラサフの用途とか、使い方を説明した記事でした。
\ 車とバイクを楽しむメディア /