ミッチャクロンは、塗装の密着性を向上させて、足付け作業なしでも、塗膜を剥がれにくくするものですが、塗ると、塗らないとでは、どの程度の差があるのか気になりませんか?。
自分の場合、必ずミッチャクロンを使ってしまうので、気にもしませんでしたが、実験の結果、
やっぱり、必ずミッチャクロンは塗ろう!
そう再認識させられるほど、歴然の結果となりました。
今回の記事は、ミッチャクロンの効果検証なので使い方は、こちらの記事をどうぞ。
では、ミッチャクロンの効果検証をスタートします。
今回は、こんな感じのモノに塗装をして実験してみました。
ポリプロピレンは、接着剤さえも付きにくい材質ですし、アルミは、もともと塗料の付きが良くない材質なうえに、悪条件のアルマイト処理をしたものです。
そして、塗装に使用した材料は、こちら。
主役のミッチャクロンは、スプレータイプのミッチャクロンマルチを使用。
それに、油分除去のためにシリコンオフ。上塗り塗料は、その辺に余っていた特注色のソフト99ボデーペン(ホワイト)となります。
では、塗装をしていきます。
まずは、全ての材料をシリコンオフで油分および、汚れを除去します。
キレイに油分が取れたら、ポリプロピレンのシート以外は、マスキングテープで中央で区切り、片側にはミッチャクロンが塗布されないように、さらにマスキングします。
ポリプロピレンは、2枚あるので、そのうちの1枚に。鉄パイプとアルミは、マスキングされていない部分に、ミッチャクロンを塗布します。
ミッチャクロンを塗布したら、15分ほど待って、ミッチャクロンを塗布しない側のマスキングテープを剥がして、再度、脱脂します。
この状態で、ソフト99ボデーペンを上塗りしていきます。
上塗りは、10分ほどの間隔をあけて、2度塗りで仕上げました。
これで、ミッチャクロンを塗布した上に塗装したものと、素地の上に塗装したものの、塗り分けサンプルができました。この時点の見た目は、ミッチャクロンを塗布した部分、未塗布の部分、両方ともキレイです。触らずに、丸1日乾燥させます。
塗装翌日。いよいよ検証開始です。
材質ごとに状態を確認していきます。
検証【鉄角パイプにミッチャクロン】
鉄素材+ミッチャクロン+上塗り塗装
1年ほど室内に放置してあった、鉄角パイプへの塗装密着実証です。
セロハンテープ試験
セロハンテープを塗面に貼り付けて、勢い良く剥がします。剥がしはじめの部分は、塗面の一番弱くなる端とします。
鉄素地の上に塗装した方は、ここまでかってくらい、ベロッと剥がれました。これリアルです。
もしかしたら、放置してあった鉄角パイプなので、酸化被膜ができてしまっていたかもしれません。でも、ミッチャクロンを塗布した方も同条件ですが、全く剥がれる気配はありません。
爪でカリカリ試験
次は、爪でカリカリと引っ掻いてみます。
鉄素地の上に塗装した方は、カリカリと爪に引っ掛かって、ドンドンと剥がれていきます。
対して、ミッチャクロンを塗布した方は、薄っすらと爪の痕が残るくらいで、剥がれる感じはしません。
10円玉でゴリゴリ試験
剥がれ試験の最終段階、10円玉でゴリゴリと削ってみます。
鉄素地の上に塗装した方は、爪でさえ剥がれていたので、10円玉だとスクラッチカードみたいに簡単に剥がれます。
ミッチャクロンを塗布した方も、さすがに表面は、剥がれてしまいましたが、完全に剥離する感じはありませんでした。
検証【アルミ型材にミッチャクロン】
アルミ素材+ミッチャクロン+上塗り塗装
アルミにアルマイト処理された型材への塗装密着実証です。型材とは、アルミを押し出し成形したものです。
セロハンテープ試験
セロハンテープを塗面に貼り付けて、勢い良く剥がします。剥がしはじめの部分は、塗面の一番弱くなる端とします。
アルマイト処理の上に塗装なので、剥がれるかと思ってましたが、両方とも剥がれる事はありませんでした。
アルミ素地の方には、塗装ブツがあったので不利な状況でしたが、そこからの剥離もなしです。
爪でカリカリ試験
次は、爪でカリカリと引っ掻いてみます。
あれっ?。これも両方ともクリアです。鉄よりも付きにくいはずなのに、予想外の結果です。
10円玉でゴリゴリ試験
次は難関。10円玉でゴリゴリと削ってみます。
ミッチャクロンを塗布していない方は、さすがにカリカリと気持ちよく削れます。対して、ミッチャクロンを塗布した方は、薄っすらと剥がれはありますが、素地まで達していない状態です。
塗膜が、しっかりとアルミに食いついている感じがします。10円玉に付いた粉は、素地の上に塗装したものを削った時の残りかすです。
検証【ポリプロピレンにミッチャクロン】
ポリプロピレン+ミッチャクロン+上塗り塗装
はじめの方にも書きましたが、ポリプロピレンは、接着剤さえ付きにくい難敵です。
これに塗装がのれば、バイクのカウルや樹脂バンパーなどにも安心して塗装ができると思います。ポリプロピレンの実験では、塗装の柔軟性も確認してみます。
セロハンテープ試験
セロハンテープを塗面に貼り付けて、勢い良く剥がします。剥がしはじめの部分は、塗面の一番弱くなるマスキングテープとの境目とします。
素地に塗装したものは、セロハンテープを剥がす前から、塗装が乗ってない雰囲気を醸し出してましたので、そーっと剥がしてみましたが、ご覧の通り見事に剥がれました。
ミッチャクロンを塗った方は、勢いよく剥がしましたが、塗装は無事です。
爪でカリカリ試験
セロハンテープでも、ベロっと剥離してしまいましたが、一応、爪でカリカリと引っ掻いてみます。
素地に塗装した方は、爪を押しつけただけで、ピリピリと剥がれます。ミッチャクロンを塗布した方は、爪でこすった痕はつきましたが、剥がれる気配はありませんでした。
10円玉でゴリゴリ試験
素地に塗装した方は試験をするまでもないですが、ついでなので、10円玉でゴリゴリと削ってみます。
素地に塗装した方は、もうどうにでもなれ的に剥がれまくります。ミッチャクロンを塗布した方は、表面は削れますが、素地まで到達しません。まだ、1層残っている感じです。
折り曲げて柔軟性試験
これ、樹脂に塗装する時に、重要な要素です。柔軟性のあるものに対して、どこまで追従するかが分かります。バイクのカウルや、熱での収縮もある車内の樹脂パーツを塗るには、柔軟性がないと、簡単に剥がれてしまいます。
まずは、クルっと、丸めてみました。素地に塗装した方は、ベロっと膜のように剥離します。ミッチャクロンを塗布した方は、しっかりと定着しています。
ミッチャクロンを塗った方は、あまりにも剥がれないので、思い切って折り曲げてみました。
結果は画像の通り。折り曲げても剥がれない。ここまで定着してくれれば安心です。
検証総括
これで全ての実験の結果がでました。どうでしょうか?
正直、自分もここまで差が出るなんて思ってもいませんでした。
確かに、自分はミッチャクロンが好きで使ってますが、実験に関して、贔屓してミッチャクロンを塗布した方を弱く擦ったとか、そういう事は、断じてしていません。
少し、んっ?と思ったのは、「鉄角パイプには、素地でも、もう少し塗装が定着するはずでは?」という事くらいです。
ただ、今回の実験の条件下では、書いた事がリアルな結果な事は間違いありません。
少なくとも、ミッチャクロンの効果を実証できたわけです。チマタには、「ミッチャクロンは効果がない」とか「スグに剥がれた」とかいう声も聞きますが、おそらく下地の処理不足、主に油分が残ってしまっている事が要因ではないかと思います。
自分で使っている限り、不具合もなく、密着性も良好です。
で、まとめなのですが、ミッチャクロンは、使って間違いなし。という結論となります。
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