今回は、車のパーツ作成、取り付けには欠かせない、ブラインドリベットの使い方を書いていきたいと思います。
ブラインドリベットの特長は、
なんと言っても、カシメで板材と板材を締結できるということ。片側から施工できるので、裏側に手が入らない状況でも、ナット締めが不要です。またネジとは違い、基本的に外す事ができません。
外せないという事は、簡単には外れない⇒パーツが脱落しずらいという事です。逆に、外さなければいけない、メンテンナンスを必要とするような部位には使用できません。
ブラインドリベットは、ネジでいうところの、ボルトにあたるものですが、ナットにあたる、ブラインドナットという商品もあります。
両方とも持っていれば便利ですが、使用頻度が高いのは、圧倒的にブラインドリベットです。なので、今回は、ブラインドリベットのみ、詳しく紹介していきます。
一応、自分は、両方とも持ってるし、ブラインドナットに関しては、そのうち書きます。
ブラインドリベットの選び方
取付方法の前に、ここでは、ブラインドリベットの選び方を書いておきます。
ブラインドリベットは、ネジと同じく材質・形状・サイズがたくさんあり、慣れていないと選ぶのが大変です。下の手順の通りに選択していけば適切なリベットにたどり着けるはずです。
step.1
ブラインドリベットの材質を選ぶ
ブラインドリベットは、ボディ(カシメ部本体)とマンドレル(引っ張る棒)の2パーツに分かれています。この2パーツの組み合わせで素材が決まります。カシメという工程を行うため、比較的柔らかくて潰れる材質が良く使われます。特にアルミは加工性が良く軽量なためブラインドリベットでは、主な材質となっています。そのほかにもステンレスなどありますが、固い材質になるほど、カシメ作業に力がいります。
ブラインドリベットの材質組み合わせ
ボディ アルミ アルミ 鉄 ステンレス ステンレス マンドレル 鉄 アルミ 鉄 ステンレス 鉄 使用する環境や、固定力により、材質を選択します。1番流通量が多いのは、ボディがアルミで、マンドレルが鉄の、通称アルミ鉄と言われる組み合わせです。材質の他に、ボディのフランジ部分が塗装されているものもあります。
ホームセンターに売っているものは、アルミ+鉄/ステンレス+ステンレス/フランジ部分塗装系がメインです。そのほかは、モノタロウなどのネットで購入することになります。
step.2
ブラインドリベットの形状を選ぶ
下の絵の他に、もっと色んな形状・機能がありますが、代表的なモノをあげておきます。
丸頭
一番普通の形状です。ホームセンターで売ってるのは、ほとんどこれ!。板をカシメたいなら、これでOK。
ラージフランジ
頭が大きいので、FRPや樹脂系のパーツなど、比較的柔らかい材質を、固定するのに適しています。
皿頭
皿座彫りがされている部品を固定するのに使用します。ネジの皿頭と同じイメージで出っ張らずに施工が可能です。
使用する場所によって、形状を選択してください。ほとんどの場合、丸頭で問題ないと思います。ちなみに皿頭を使用する座彫りとは、こんな形状の事です。
step.3
ブラインドリベットのサイズを選ぶ
締結物の厚さを確認します。2枚の板材をカシメるのであれば、2枚合わせた厚みとなります。あとは、下穴のサイズが問題です。それぞれの、ブラインドリベットのサイズによって、この穴の大きさが指定されています。ボディ部分が太ければ、引っ張り荷重・せん断荷重に強くなります。
締結物の厚さ+穴の大きさで、リベットのサイズが決まります。穴の大きさは、手持ちのドリル径に合わせて考えた方がいいと思います。代表的メーカーの適応表をまとめておきました。
【代表的なリベットのサイズ表】
(メーカーによって、かしめ板厚などの数値が異なります。かしめ板厚の幅広いタイプのリベットもあります。)
3-2 | 0.5-3.2 | 2.5 | 2.4 | 5.5 |
3-4 | 3.2-4.8 | 8.8 | ||
4-1 | 0.5-1.6 | 3.3 | 3.2 | 4.4 |
4-2 | 1.6-3.2 | 6 | ||
4-3 | 3.2-4.8 | 7.6 | ||
4-4 | 4.8-6.4 | 9.2 | ||
4-5 | 6.4-8.0 | 10.8 | ||
4-6 | 8.0-9.5 | 12.3 | ||
4-8 | 9.5-12.7 | 15.5 | ||
5-2 | 0.5-3.2 | 4.1 | 4 | 6.6 |
5-3 | 3.2-4.8 | 8.2 | ||
5-4 | 4.8-6.4 | 9.8 | ||
5-5 | 6.4-8.0 | 11.4 | ||
5-6 | 8.0-9.5 | 12.9 | ||
5-8 | 9.5-12.7 | 16.1 | ||
6-2 | 0.5-3.2 | 4.9 | 4.8 | 7.1 |
6-3 | 3.2-4.8 | 8.7 | ||
6-4 | 4.8-6.4 | 10.3 | ||
6-5 | 6.4-8.0 | 11.9 | ||
6-6 | 8.0-9.5 | 13.5 | ||
6-8 | 9.5-12.7 | 16.7 | ||
6-10 | 12.7-15.9 | 19.9 | ||
6-12 | 15.9-19.1 | 23.3 | ||
6-14 | 19.1-22.3 | 26.5 | ||
6-16 | 22.3-25.4 | 29.7 | ||
8-2 | 0.5-3.2 | 6.5 | 6.4 | 9.2 |
8-4 | 3.2-6.4 | 12.4 | ||
8-6 | 6.4-9.5 | 15.6 | ||
8-8 | 9.5-12.7 | 18.9 | ||
8-10 | 12.7-15.9 | 22.1 | ||
8-12 | 15.9-19.1 | 25.4 | ||
8-14 | 19.1-22.3 | 28.6 | ||
リベット呼び | かしめ板厚 (mm) | 下穴径 (mm) | リベット太さ (mm) | 首下長さ (mm) |
使用するリベットが決定!
材質+形状+サイズが決まりました。
これで、使用するブラインドリベットが決まりましたね。
ブラインドリベットの作業手順
ブラインドリベットを施工するのに、もっとも手軽な工具が、ハンドリベッターです。
自分もプロではないのでハンドリベッターしか持っていません。他にもエアーや電動のものがありますが、DIYで使用するならハンドで充分です。ということで、ハンドリベッターの使い方を順を追って説明したいと思います。複雑そうに見えますが、手順さえつかんでしまえば簡単。2回目からは、何にも考えずに使えますので安心してください。
step.1
締結するものに適切な下穴をあけます。
step.2
ノーズピースを適切な大きさに変えます。
step.3
締結するものにリベットをセットします。
step.4
リベッターをセットして、ハンドルを引きます。
step.5
マンドレルが破断して締結が完了!
締結完了後は、マンドレルが破断するので、こんな風になります。裏面は、膨らんで抜けなくなっています。簡単にしっかりと固定ができました。見た目も、本格的です。
一応、ブラインドリベットの外し方
外れないのも、利点と言ってましたブラインドリベットですが、まったく外れないのも困りものです。
一応、外すことはできます。ネジみたいに簡単には外れませんし、リベットは再利用できません。基本的には破壊行為とご理解ください。手順は簡単です。
あとは、裏面からリベットの残りを、グリグリすれば外す事ができます。ボディがアルミ製のものであれば、フランジ部分は簡単に飛びます。専用工具もあるのですが、自分は、この方法で外してます。費用もかからないし、そんなに外す事もないので、これで良いかなと思います。
ブラインドリベットのまとめ
という事で、今回は、ブラインドリベットの使い方に関して書いてみました。正直、ネジの方が気楽に使えますが、見た目が本格的な感じになるし、外れる心配がないのが良いですね。
また、裏側に手が入りにくい部分、例えばフロントバンパーにカナードを付ける時などには、片側から施工ができるので、非常に便利に感じます。
ハンドリベッターではあれば、安いものなら、1000円以下で購入できるのもあります。工具としては、リーズナブルなものなので、試しに購入して使ってみても良いかと思います。
この記事は、これで終わりですが、近々、ブラインドナットに関しても書いてみたいと思います。その時は、もっとマニアックな記事になると思いますので、ぜひ、見てやってください。
では、これにて終了!
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