車に電装部品を取り付けるのに、必ず必要になる、配線コード。お店に行ってみると、想像以上に色んな種類があって、何を買っていいのか分からなくなります。
色も色々あるから、好みの色のコードを選べばOK!なんて思ってませんか?
表示を見ると、[AVS]とか[ ○○ sq]とか、[○○m]とか書いてあります。○○mは、線の長さなので、必要な長さを購入すれば良いです。では、[AVS 〇〇 sq]って何の数字なんでしょう?
今回は、電源コードの選び方について書いてみたいと思います。
配線コードの種類と使い分け
電源コードのパッケージを見てみると、こんな感じで表記されています。
それぞれの表記が、どんな意味なのかを説明していきます。
1番重要なのは、スケア(sq)の表記
sqで表記される数字は、スケアと読みます。
スケアとは、配線コードの太さを表したもので、square mm = スクエアミリメートルを略した呼称です。数値は、コードの芯線(撚線)の断面積を表していて、0.5sqであれば、約0.5mm²という事になります。約と書いたのは、面積をスケアにする時に、キリにいい数字になっているためです。
配線の太さは、電気を通す量に関係していて、太いものになるほど、通す電気の量が多くなります。
配線の太さと、使用できるアンペア数、使用できるワット数の関係は以下の通りです。使用できるワット数は、普通の乗用車の電圧である12Vでの場合です。
コードサイズ | 使用可能 | 使用可能 | 参考 AWG |
0.2sq | 30W以下 | 2.5A以下 | AWG24 |
0.50sq | 60W以下 | 5A以下 | AWG20 |
0.75sq | 80W以下 | 6.6A以下 | AWG18 |
1.25sq | 140W以下 | 11.6A以下 | AWG16 |
2.00sq | 200W以下 | 16.6A以下 | AWG14 |
3.00sq | 360W以下 | 30A以下 | ー |
5.00sq | 480W以下 | 40A以下 | AWG10 |
取り付けする電装品の消費電力に合わせて、配線コードも選ぶ必要があります。
電装品の消費電力(電流)は、アンペアだったり、ワット数で表記されていたりします。それぞれの関係は、以下の通りとなります。
消費電力(W)=電圧(V)÷ 電流(A)
電圧(V) =消費電力(W)÷ 電流(A)
電流(A) =消費電力(W)÷ 電圧(V)
つまり、12Vで60Wまで使用できる、0.5sqのコードは、60W ÷12V で、5Aまで使用できる事になります。
参考
表中に参考で書いた、AWGという数値。配線コードのパッケージで、たまに見かけます。アメリカン・ワイヤー・ゲージの略で、簡単に言うと、アメリカ規格です。日本の規格は、JISでsq(スケア)が使用されます。
AVとAVSの意味は?
配線コードに表記されている、AVとAVSの違いは、被覆の肉厚の違いです。
スケアが同じであれば、使用できる電流・電圧は同じです。被覆が薄い分、コード自体が細くなるので、配線がしやすくなるという利点があります。
A・V・S のそれぞれの文字に意味があり、以下の通りとなります。
A : 自動車用低圧電線 (Low-voltage cables for automobiles)
V : ビニル (Vinyl)
S : 薄肉型 (Thin insulation type)
AV=自動車の低電圧回路に使用される、ビニル被覆のコード
AVS=自動車の低電圧回路に使用される、薄いビニル被覆のコード
となります。
使用できる電装パーツの目安
目安として、車用電装パーツの消費電力あげてみます。
- カーナビ(オンダッシュタイプ) 2.5アンペア程度
- ETC 0.5アンペア程度
- カーオーディオ 10アンペア程度
- LEDランプ 20ミリアンペア(1個あたり)
こんなものです。
つまり、LEDであれば、0.2sqのコードでも、125個も取り付けられる事になります。
ちなみに、【1アンペア=1000ミリアンペア】です。
なので、ほとんどの場合、0.2sqと0.5sqで事足りることとなります。
たまに、オーディオのメイン電源配線をする時には、1.25sqくらいが必要になるかもしれませんが、だいたい、ハーネスセットになってますしね。わざわざ自分で配線コードを用意することもないかと思います。
自分も通常在庫しているのは、0.2~0.75sqのシングルとダブルコードくらいです。
簡単に言うと、ダブルコードは、シングルコードが2本くっ付いたものです。束ねる必要がなくなるので、取り回しが楽になります。
電気は、プラス線とマイナス線のセットで必要になります。コードを延長するとか、ハーネスを組むとか、そういう時は、ほぼダブルコードを使用します。
マイナス線をボディアースする時などは、シングルコードを使用します。
まとめ
ということで、配線コードの選び方を、まとめてみました。
この記事の結論としては、配線コードは、色で選ぶな!スケアで選べ!という事に落ち着きます。これで、スケアの意味も、理解いただけたと思います。
それを踏まえた上で、使うコードは、0.2・0.5・0.75スケアがあれば、ほぼOKというのも分かりました。
無駄に、色んな太さのコードを、在庫しておく必要もありません。売り場で迷ったら、大体、このあたりの太さを選んでおけば無難かと思います。
配線コードが決まれば、あとは、端子付けて接続するだけですね。
そんな記事も書いてますので、合わせて読んでください。
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では、今回の記事もここまで。
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