車の電装系DIYといったら、ほぼ確実に使う電工ペンチ。主な役割は、端子をカシメること。
でも、改めて見ると、結構、色んな機能が付いてるんですね。今回は、その電工ペンチの使い方と機能を極簡単に書いていきたいと思います。
電工ペンチでできること
まず、電工ペンチをマジマジと見てみます。色んな穴と出っ張りがあります。端子をカシメる以外にも、色んな機能があるので、どこで何ができるのかを図にしてみました。
写真は、めちゃくちゃ安いセットものに入っていたものなので、これ以下の機能のものは無いかと思います。最低機能として見てください。
電工ペンチでできること
- ギボシ・平型・クワ型端子のカシメ
- 配線コードのカット
- 配線コードの被覆剥き
- ネジの長さカット
もう少し良い電工ペンチなら・・・
- 土管型の圧着端子のカシメ
- 丸型圧着端子のカシメ ができます。
あと、電工ペンチには、電気器具用と、自動車電装系用のものがあるので、間違えないように注意してください。
今回はもちろん、自動車用途に限定します。電気器具用を購入してしまうと、コードの太さや形状が違うのでカシメられないものがあります。
では、実際に端子を圧着してカシメる手順を追って、機能を簡単に説明します。
端子をカシメるまでの機能
定番のエーモン製の配線コードを使用して、ギボシ端子を圧着してみます。
ほとんどの場合、使用するコードの容量は、0.2sq~0.5sq(スケア)がほとんどかと思います。これに加えて0.75sqくらいを常備していれば、ほぼ対応できるかと思います。今回は、0.5sqを使用してみました。
スケアの意味が分からない方は、こちらを見てください。
【車の配線コード】スケア(sq)って何? 配線コードの選び方は、これで分かる。
1)電源コードをカットする。
2)電源コードの被覆を剥く。
電源コードの被覆を8ミリ程度剥きます。電工ペンチで挟んで引っ張ると被覆が剥けます。
3)配線を捩じってまとめる。
端子に入りやすいように、先端を捩じってまとめておきます。
4)スリーブを通す。
端子をカシメてしまうと、入らなくなるので先にスリーブを通しておきます。
5)端子に差し込む。
端子の上の爪には、被覆を剥いた部分を、下の爪には被覆のある部分がくるように差し込みます。
6)小さな方の爪をカシメる。
先に小さな方の爪を固定します。使用するコードの太さの表記のある部分でカシメます。
7)大きい方の爪をカシメる。
コードの被覆のある部分に爪を固定します。コードを引っ張っても抜けない強度をだすための箇所です。
しっかりとキレイにカシメるために、電工ペンチの太いコードをカシメる箇所から、段々と細いコード用の箇所へと使い分け、3段階でカシメていきます。
8)スリーブをはめて完成。
絶縁用のスリーブをはめて完成です。画像は、はめ込む途中ですが、しっかりと差し込んでください。
これで、しっかりと抜けない強度で、ギボシ端子を取り付ける事ができました。メス側も、スリーブが少し大きくなりますが手順は同様です。
また、カシメという手順は、平型端子・クワ型端子も同じです。
ネジをカットする機能
メインの端子をカシメるという機能の他に、ネジをカットするという機能もあります。カットするネジの太さは、電工ペンチによって違うかもしれませんが、
M2.6・M3・M3.5・M4・M5 程度の太さかと思います。あまり太いネジはカットできません。
カットするには、カットする場所に、ネジの太さが書いてありますので、そこにネジをネジ込み、カットしたい長さに調整します。
ネジをセットする時は、電工ペンチを少し開いた状態にしておきます。
ネジを取り付けたら、電工ペンチを思い切り、閉じるようにチカラを加えると、カットする事ができます。カットした部分が、勢いよく飛ぶので注意してください。
カットしたネジの先端は、こんな感じになります。決してキレイには切れないと思います。
また、ネジ山がつぶれて、ネジ込みがあまり、すんなりいきません。
この機能は、どうしても長さの調整が必要な場合の、エマージェンシー的な機能としてとらえておく方が、よいかと思います。
まとめ
今回の記事では、電工ペンチの使い方を極簡単に書いてみました。長い間の経験から自己流の部分もありますが、確実にカシメられる方法だと思います。
また、あらためて思ったのは、少し良い、電工ペンチの方がやっぱり使いやすいな。という事でした。
良い電工ペンチは、かみ合わせとか、ガタつきが少ないので、どう考えても作業性が高いです。
はじめは、端子とのセット品の方が、便利かなと思い購入したのですが、結局は、別の工具を購入してしまいました。
価格も、そこまで高くないですし、買い替えるくらいなら、少しだけ良い工具の購入をオススメします。
という事で、簡単ですが、電工ペンチの使い方の記事でした。
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